

ペットを飼っている、これから飼おうと思っているなど、犬や猫などと一緒に暮らしたいと考える方も少なくないでしょう。
「ペット」と一言でいっても、熱帯魚や亀、ハムスター、インコ、ウサギ、犬、猫などさまざまで、それぞれ飼育方法や生き物としての特性が大きく異なります。同時に飼育の有無も異なるため、賃貸物件で飼っていいのかどうなのか、判断に迷われる方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、一般的に賃貸物件で飼育することができるペットの種類やルールについて考えられるいくつかのケースをご紹介します。
併せて、ペット不可物件がある理由やペット不可物件で内緒をペットで飼った場合についても触れますので、ぜひ最後まで読んでご参考になさってください!
賃貸物件で飼える
ペットの種類
賃貸物件におけるペットの飼育許可の傾向や知っておきたいポイントをご紹介します。
飼育可否は賃貸借契約書に記載されている
お住まいの賃貸物件におけるペットの飼育有無は、賃貸借契約書の中に明記されていることがほとんどです。まずはご自宅を借りた際の書類を確認してみてください。
稀にペット禁止という明記がないケースも存在するため「ペットの飼育が禁止されていない=ペットOK」という認識には注意が必要です。ペット禁止ではなくても、ペットOKと記載されていない場合は、非常に判断の難しいグレーゾーンと捉えることができます。
曖昧な状態でペットの飼育をはじめた場合、トラブルに発展し、違約金や原状回復費用の支払いを要求されてしまう可能性もあります。安易に「禁止と書かれていないから」で済ませてしまわず、不動産会社や大家さんに確認することが重要です。
賃貸借契約書にペット禁止と書いていない場合については、こちらをご参照ください。
▶ペットによる傷や汚れをカバーする保険はある?賃貸の原状回復の基準と相場
ペット禁止は、あらゆる生き物の飼育がNG
賃貸物件でペットを飼育できるかどうか考える際に、犬や猫などの大型の動物を想像される方も多いのではないでしょうか。
しかし、ハムスターや魚、昆虫等は、ペット飼育が許可されているかどうかに関係なく飼育できるという認識も広まっています。犬や猫だけではなく、「ペット不可」と明記されている物件の場合は上記のような生き物も含めあらゆるペットが禁止されていると捉えてください。
たとえば、熱帯魚は犬と違って鳴き声などの騒音や爪などによる物件の破損もないため、飼育しても問題ないのではないかと考えられる方は多いです。
しかしながら、物件によっては万が一水槽からの水漏れで浸水被害が生じたり、重たい水槽の設置によって床や壁が破損したりするのではないかという理由で禁止するケースもあります。
ペットの飼育については各物件ごと、大家さんごとに考え方が異なるため、自分の判断で行動してしまうと後ほどトラブルに繋がってしまう可能性があると留意しておきましょう。
相談すれば許可をもらえる可能性もある
ここまで賃貸物件では物件によってペットの飼育ができないケースをご紹介してきましたが、実は相談することで飼育許可がおりた事例も存在します。
自己判断で飼育を始めたり、無断で飼育をするのではなく、まずは不動産会社や大家さんに相談しましょう。ペットの飼育許可をもらうためには、大家さん側のメリットをアピールしたり大家さんが懸念しているポイントをあらかじめ説明したりといくつかのポイントがあります。
こちらの記事でペットの飼育交渉のポイントを詳しくまとめているので、ぜひ興味をお持ちの方はご活用ください。
▶︎賃貸で入居後にペット飼育を交渉できる?大家側のメリットを踏まえた交渉術
ペットと暮らせる
賃貸物件の種類
ペットと一緒に暮らせるタイプの賃貸物件には「ペット可物件」「ペット共生型物件」「ペット相談可物件」と3つの種類が存在します。
ペット共生型物件とは、ペットと一緒に暮らすことを前提として設計された賃貸物件を指します。散歩後に手足を洗える洗い場やリードを一時的に繋げる場所など、ペットと一緒に快適に暮らせる設備が整えられている物件が多くあります。
ペット相談可物件とはその名の通り、入居前に飼育したいペットの種類や数について大家さんや不動産会社に相談し、許可が降りるとペットとともに暮らすことができる物件です。
上記の2つに対して、「ペットOKの物件」と聞いて思い浮かべる物件の形ともいえるのがペット可物件です。ペット共生型物件のようにペットを飼育することを前提としているわけではないものの、ペットの飼育が認められています。
「ペット可物件」
「ペット共生型物件」で
飼育可能なペットの種類とは
ペット相談可物件とは違って元々ペットの飼育が認められている「ペット可物件」と「ペット相談可物件」ですが、どちらも無条件にペットの飼育が認められているわけではありません。
もちろん、物件ごとに細かいルールは異なりますが、ここでは一般的にペット可物件とペット共生型物件でどのような飼育スタイルが認められているのかをご紹介します。
犬猫でも1〜2匹までなら飼育可能
一般的にペット可物件やペット共生型物件では犬や猫、ウサギといった比較的大型の動物の飼育が可能です。
ただし、頭数に制限がある場合が多く、1〜2匹までなら問題なく飼育できるケースが多いです。大家さんによって考え方が異なるため、物件ごとにルールは異なりますが、多頭飼いOKの物件は少数派であるといえます。また、小型犬と大型犬で飼育可否や頭数制限が変わる物件もあるため、お部屋探しの際は犬種の規定についても情報を集めることが大切です。
少々マイナーなペットの場合は、犬や猫を許可している物件でも判断が分かれます。こちらについても入居前にペットの具体的な種類を挙げて飼育できるか確認しておきましょう。
「ペット相談可物件」で
飼育できる可能性が高いペット
ペット相談可物件では、飼育許可がおりるペットの種類や頭数の傾向についてご紹介します。
小型犬はOKなケースが多い
ペット相談可物件において小型犬の飼育許可がおりるケースは多いです。
理由としては、ゲージを使用することで比較的狭い部屋でも飼育しやすく、特有の臭いも気にならない可能性が高いためです。
また、室内で駆け回っても体格が小さい小型犬は騒音被害につながりにくいという判断をする大家さんもいます。
子犬よりも成犬の方がOKが出やすい
子犬よりも無駄吠えが少なく躾もされているという理由から、成犬の方が許可がおりやすいという意見もあります。
理由として鳴き声による騒音トラブルが懸念される場合が多いため、いつけの有無は重要な判断基準になるケースが多く見られます。
落ち着いた性格の犬種はOKが出やすい
犬の場合、犬種によって性格の大まかな傾向があります。落ち着いた人懐っこい性格で、あまり吠えない犬種は、小型・大型に関係なく飼育許可が降りやすいです。
もちろん同じ犬種であっても性格は様々ですが、一般認識としておとなしいとされている犬種については大家さんも安心して許可を出しやすいと考えられます。
犬よりも猫の方が許可がおりにくい
ペット飼育可であっても、犬は飼育可能だが猫は禁止している物件の方が多いです。
背景にある理由としては、柱などで爪をといでしまうことで物件に傷をつけてしまうことを懸念している大家さんが多いためです。習性上毎日爪をとぐ猫は多いため、専用の器具を用意していても、いつの間にか建物に傷がついていたというケースは珍しくありません。
また、猫は犬と違ってしつけが非常に難しく、鳴き声や爪研ぎなどを制御することができない可能性が高いです。
上記のような理由と臭いや猫アレルギーの方への配慮などを背景として、猫の飼育が禁止されている物件が多くあります。
ペット可物件以外でも
相談すれば飼育できる
可能性のあるペット
ペットOKではない物件でも、相談すれば飼育許可が降りる可能性のあるペットをまとめてご紹介します。あくまでも許可がおりやすい物件のため、飼育を検討する場合は必ず不動産会社や大家さんに相談してください。
熱帯魚などの魚類
金魚やメダカ、熱帯魚などの魚類は騒音につながりにくいのでOKになりやすいです。種類も豊富で比較的飼育がしやすい場合が多いため、ご自身の希望にあった魚を選びやすいです。
ただし、物件によっては水漏れなどを心配して禁止するケースもあるため、注意が必要です。
亀、トカゲなどの爬虫類・両生類
亀やトカゲ、蛇などの爬虫類や両生類についても騒音や臭いの心配が少ないため、飼育許可が下りる可能性があります。
最近ではペットショップで珍しい品種を購入しやすくなったため、飼育を始める人も多いです。ただし、外来種も多いため一度逃げ出してしまうと生態系の破壊など環境問題にもつながる危険性があります。飼育環境を整え厳重に管理することが必要です。
ハムスターやハリネズミ
狭いスペースでも飼育しやすく、鳴き声や臭いも気になりにくいハムスターやハリネズミも飼育できる可能性が高いです。
ただし、飼育スペースに設置した回し車の音が騒音トラブルに繋がったという事例があるため、回し車を壁から離して設置したり防音マットを準備するなどの工夫をしましょう。
また、体が小さい生き物なので温度管理などの注意が必要な他、寿命が短いことも覚悟して飼育することが大切です。
しかし、ハムスター類によく似ているうさぎについては、基本的にペットOKの物件以外での飼育は認められません。理由としては、習性として齧ったり握ったりして建物を破損させてしまう可能性が高く、ハムスターなどと比較しても体格が大きいためと考えられます。
インコなどの小鳥
インコや文鳥などの小鳥も物件によっては飼育許可がおります。
体格がさほど大きくなく、臭いや鳴き声が目立たない種類を1羽のみ飼育する場合は許可が下りるケースも多いです。
ただし、鳥籠から出している間に壁に傷をつけたり、部屋中に排泄物や抜けた羽などが散ってしまったりする可能性があるため、物件を破損・汚損させないよう厳重な対策が必要です。
カブトムシやクワガタなどの昆虫類
カブトムシやクワガタなどの昆虫は基本的に飼育可能ですが、最低限の注意が必要です。
子供の自由研究などでも昆虫を飼育するケースは多く、カブトムシやクワガタの他にもアオムシやアゲハ蝶の幼虫、カマキリ、コオロギなどをご自身で採集される方は多いです。基本的に臭いや音もさほど気になりませんが、注意が必要なのは「脱走」です。
昆虫の場合、虫籠の隙間から脱走してしまうと捕獲が困難になります。また、共用部分やほかのご家庭のベランダ、室内に侵入してしまう可能性も考えられます。昆虫はペットと見なすか害虫と見なすかが人によって大きく変わるため、人によっては目にするだけでも気分を害されるケースや、野菜や草木の被害が起きる可能性もあります。
昆虫飼育の場合は、脱走しない仕組みづくりが非常に重要です。
ペットと一緒に暮らすなら
ペットOKの物件を選ぶ
繰り返しにはなりますが、ペットと暮らすならペットの飼育が認められている物件を選ぶことが重要です。ペットOKといっても物件によって飼育ができるペットの種類が異なるので、注意してお部屋探しを進めましょう。
大切なペットと一緒に暮らせるお部屋をお探しの方は、ぜひ部屋まるペットもご相談ください。ペットと暮らせる家賃6万円以内の物件を中心に取り扱っているので、豊富な物件を比較検討しやすいです。
興味をお持ちの方は、ぜひ一度部屋まるペットのホームページをご覧ください。
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ペット不可物件がある理由
そもそも、なぜペット不可物件があるのか気になりませんか??
その理由はおもに、建物や住環境を保護するための配慮によるものです。ペットと一緒に暮らすと、どうしても発生するリスクや問題があり、それを避けるために「ペット不可」とする物件が多いのです。詳しい理由は下記でご紹介します。
物件価値の下落防止
ペット不可物件が存在する理由の一つに、賃貸物件価値の下落防止があります。
ペットがいることで発生する可能性のある損傷や汚れは、賃貸物件の価値や見た目に直接的な影響を与えます。たとえば、ペットの爪による床や壁の傷、トイレの失敗によるカーペットやフローリングのシミ、さらにはペットの毛や匂いが原因でのアレルギー問題など。その結果、大家さんや管理会社は賃貸物件の価値を維持するために、追加の修繕費用を負担しなければならないことが多くなるのです。
また、動物アレルギーの方もいるため、前の入居者がペットを飼っていると、次の入居者が見つかりにくくなる要因にもなり得ます。
近隣住民とのトラブル防止
近隣住民とのトラブルを防止するため、ペット不可としていることも少なくないです。
ペットが鳴いたり走り回ったりする音は、隣室や上下階に響き、騒音問題を引き起こす可能性があります。これが原因で住民間のトラブルに発展することも珍しくありません。
アレルギーを持つ住民にとっては、ペットの毛や匂いが原因で健康被害が生じるリスクもあります。さらに、共用スペースでのペットの排泄物や、リードをつけずに歩かせる飼い主によるトラブルも考えられます。
このような背景から、ペットの飼育を禁止することで、住民一人ひとりが安心して快適に暮らせる環境を提供しようとする意図があるのです。
ペット不可物件で内緒で
ペットを飼った場合
ペット不可物件で内緒でペットを飼った場合、どうなるのでしょうか。
飼うことをやめるよう言い渡される
大家や管理会社からペットを手放すよう求められることが一般的です。
ペットの存在が近隣住民に迷惑をかけている場合や、建物に損害を与えていると判断された場合は、とくに強く指摘されるでしょう。指摘された後は、ペットの里親を見つけたり、身内に引き取ってもらったりしなければいけません。
とはいっても、ペットと離れるのは心苦しいでしょう。そうなると、新しい賃貸物件をすぐに見つけ、引越しする必要があります。
退去を命じられる
契約違反として、退去を命じられることも珍しくありません。
退去を命じられると、まず新しい賃貸物件を急いで見つける必要がありますが、これは時間と費用の両面で大きな負担となります。また、不動産会社や新しい大家が過去の契約違反を知り、信用を失った場合は、お部屋探しが難航するでしょう。
退去後も元の賃貸物件に対する修繕費用やクリーニング費用を求められる可能性もあります。
違約金が発生する
契約違反により退去を命じられるだけではなく、違約金が発生する可能性もあります。違約金の金額は契約内容や賃貸物件の規定によって異なりますが、通常は家賃の数ヶ月分に設定されることが多く、経済的な負担が大きくなることが考えられます。
違約金は、物件の修繕費用やその間の空室損失を補填するために設定される場合があり、大家や管理会社にとっては重要なリスクヘッジの手段となっているのです。
飼育可能なペットの種類や数は
物件ごとに異なるので
必ず事前に確認を
ペットと暮らせる賃貸物件には「ペット可物件」「ペット共生型物件」「ペット相談可物件」の3種類あります。
「ペット可物件」や「ペット共生型物件」は、犬や猫などであれば1〜2頭の飼育が可能です。一方、ハムスターや熱帯魚などは、「ペット不可物件」でも相談することで飼育が認められるケースもあります。
ただし許可がないまま自己判断でこっそり飼育するのはNGです。退去を命じられたり、違約金が発生したりと、ご自身の負担が大きくなります。
今のお住まいでペットが飼えない場合は、ペットOKの賃貸物件を探してお引越しすることをおすすめします。
部屋まるペットでは家賃6万円以内のペットOK物件を中心にご紹介していますので、興味をお持ちの方はぜひご確認ください。